美味しいご飯を食べる50の方法
よしかた産婦人科の井畑です。
炊きたてのご飯の美味しさは格別で、おかずが要らないくらいですね。
体重にかなり難がある私にとってあの美味しさは「敵」認定なんですが、事実は事実、変えようがありません。
美味しいご飯を炊くポイントは
1)良いお米を使う、2)良い水を使う、3)良い炊飯器を使う と、まとめられます。
1)のお米については好みは人それぞれですし、新潟魚沼産コシヒカリ一強時代は遠い昔、 日本各地で「美味しいお米」が数多く生産されています。お米マイスターなんて人もいるし情報もあふれています。 ご自分でベストを選んでください。
2)の良い水ですが、まずお米の研ぎ方について。
「今のお米は精米技術が高いので、研ぐ必要はない」という意見はかなり説得力があります。
「研ぎすぎると米が割れてしまって美味しくなくなる」という意見もあります。もちろん、いくら精米したと言っても周囲に汚れなどはあるでしょうからざっと洗うくらいは必要だと思うのですが、はたして研ぐ必要はないのでしょうか。
さらに、研ぐ水の問題。水道水ではなく、浄水などのいわゆる「良さげな水」で研ぐべきでしょうか。
以前自分で、研ぐ回数や水を変えて数パターン試してベストを探したことがあります。ほとんど研がず洗うだけだとやはりけっこう糠っぽい味が残ります。
この味、悪いというわけではなく好きな人は好きかもしれませんが、私はどちらかというと糠っぽさが少ない方が好みです。
研ぐ水が透明になるまで十数回研ぐと糠っぽい味はほぼ完全になくなりますが、労力に見合うほど美味しいかというと大差ありません。
実験の結果、軽めでも3回研げば糠っぽさはほぼ気にならなくなることが判明しました(個人の感想です)。
「研ぐ時にも良い水を使うべきか?」については以前からよく議論されています。最初から最後まで、いわゆる美味しい水で研ぐ方が美味しくなるのは当然に思えます。浄水器の水をふんだんに使えるような環境であれば是非そうしてください。
しかし、洗って捨てるだけの水に良い水を使うのはやはり相当心が痛みます。
「乾燥したお米に最初に浸す水は良い水を使う」つまり、研ぐ最初の水は良い水で、という意見も強力ですが、私はあまり賛成できません。
米研ぎの際にお米が吸水する水分量なんてごくわずかで、炊飯時の水の量にくらべると誤差のレベルだと思います。最終的に数百倍の水に浸すわけですから、それほど味が変わるとは思えません。手早く研げば吸水量も減るでしょうし、それでいいかなと。
実際水道水だけで研いでも味はあまり変わらないように思えます(個人の感想です)。
炊飯する際の水は、私の場合たいてい冷蔵庫のペットボトルの水を使っているのですが、これは間違いなくつややかで美味しくなります。もっともそれは水のおかげではないかもしれません。
炊飯のコツとしてよく言われていることの一つに、「炊飯のときは氷水を使え」というのがあります。0℃に近い温度から一気に炊き上げると美味しくなるんですね。
冷蔵庫で冷やされた水であれば、氷水にやや近い炊飯環境になります。
ということで現在の私なりの結論は、水道水で手早く軽く洗う程度で2-3回、そしてすぐに水を切って、氷水もしくは冷水で炊く、です。この「手早く」というところが大事でそのために有用なのがお米研ぎボウルです。
この「3WAY水切りボウル」は使い始めて数年経ちますが、いまだにしっかりとした使い心地で、さすが燕三条製、「一生もの」感が半端ないです。
他にも野菜の水切りや、塩蔵わかめの戻しなどに活躍していますし、百円ショップに売っているプラスチック製のものとは一線を画します。
このボウルの良さとして「洗いやすさ」が挙げられます。水切り能力としては金網のざるの方が上ですが、ざるはとても洗いにくい。いつまでたっても網目の間の洗剤が取れない感じで、水もたくさん使ってよろしくありません。
その点、このボウルであれば普通に洗えばOKです。
最後に3)の「良い炊飯器」
まず最初に、自分の家では炊飯器に保温機能が必要かどうか、ということを確認してみなければなりません。
「自動で炊きあがって自動で保温になり、いつでも温かいご飯が食べられる」これが炊飯器の最大の利点ですが、最近この保温機能がない炊飯器が増えてきています。食べ切りで余ったら冷凍保存ということです。
成長期の中高生男子とかがいて朝から晩まで誰かしらがご飯を食べているようなケースを除き、確かにずっと保温していることのメリットは少ないでしょう。
それでもやっぱり保温が必要という方は、高級炊飯器が家電量販店での一押しです。
たいてい釜の部分で差別化しており、銅であったり土であったり鉄であったり炭であったりします。価格は3-8万円で、10万近いハイグレードのものもあります。
圧力とか対流とか計算されていて確かに美味しく炊けるようですし、金銭的に余裕のある方は第一選択でしょう。ヨドバシあたりでいくらでも見ることができます。
個人的には、重くて洗うのが大変で落としたら壊れてしまいそうな釜よりも、軽くて丈夫な釜の方が安心感があります。
パナソニックのおどり炊きは口コミなどで評価が高く、スタンダードグレードでも美味しいらしいので、買うならこれ「大火力おどり炊き」かなと思っています。3万円ですから安くはないんですが。
美味しいごはんと言えば私が真っ先に思い出すのが、以前NHKで放送された「昨夜のカレー、明日のパン」の毎朝「なべ」でご飯を炊くシーンです。
あれは無水鍋じゃなかったかと思っているのですが、もともとご飯を炊く専門の羽釜を元に作られたのが無水鍋ですので美味しくないわけがありません。「HALムスイのKINGシリーズ」というのが老舗です。
IHでも使えますし、ご飯以外にも無水調理に色々使えるそうですので、お料理好きの方なら買って損はないのかもしれません。シンプルで上手に使えば一生もののようですね。お料理をあまりやらない方だと1万4千円は少々お高い感じでしょうか。
日本製にこだわらなければ、テフロン加工で非常に軽く、お値段も格安のこちら「cotta 無水調理鍋」が良さそうです。
ただテフロンは消耗品で高熱にはできないので注意が必要です。蓋がグリルパン(波型で油が落ちる)仕様になっているところは強力なポイントで、ステーキとか焼きたくなりますね。ちなみに、Amazonよりもcottaのサイトで直接買う方が安いようですので確認してください。
ご飯といえば「土鍋」です。土鍋としてメジャーなのは、伊賀焼長谷園の「かまどさん」ですが、私が実際に使っていてお勧めできるのが、同じ伊賀焼の「萬古焼大黒ご飯釜」です。
まずなにより、安いです。二合炊きで3,000円。三合炊きでも4,000円です。それでいて全く問題なく美味しいご飯が炊けます。弱点はIHで使えないことくらいでしょうか。土鍋デビューを考えている人はこれで始めるのが良いと思います。
一般的には「かまどさん」の方が定評があります。形状もいかにも土鍋で、こちらの方がお好きな方もいるでしょう。
このブログのために調べていて発見したのですが、耐熱ガラスのHARIOが萬古焼の窯元と組んで作っている「フタがガラスのご飯釜」 炊き上がりにホイッスルがなって火を止めるタイミングを教えてくれるそうですが、これ、かなり良さそうです。
ガラスのフタの分お値段が高くなっていますが、お米が炊き上がる過程を直視できるのは楽しそうです。また、内蓋がないのもポイントが高いです。内蓋一つでも少ない方が片づけが簡単ですから、今の萬古焼が壊れたら、次はこちらを買ってみようと思っています。
土鍋にしても無水鍋にしても、火を止めたり蒸らしたりするのは自分でやらなければならないので、いくら美味しくても忙しい自分には向かないと思っている方は多いと思うのですが、そんな方をターゲットにしたのが「バーミキュラ ライスポッド」。
バーミキュラというのはルクルーゼやストウブと並ぶ有名な日本製の高級ホーロー鍋の会社ですが、そのバーミキュラが満を持して発表したのが、このライスポッドになります。発売当初は半年待ちくらいの人気でしたが、今ではヨドバシで買って帰れるくらいになりました。約9万円という値段はネックで、私も「まず買わないな」と思っていたのですが、最近3合炊きのミニサイズが出て少しお手ごろになりました。といっても7万円するんですけど。
ご飯以外にも温度をコントロールする機能は料理的には有用性が高いようで、お料理が趣味の方でしたら十分買う価値はあるかもしれません。また、バーミキュラですから鍋だけ普通に買っても2−3万です。そう考えると安いのか??
土鍋をオートにしたものとしては、かまどさんの長谷園とこだわり高級家電のsirocaがコラボして出した、「かまどさん電気」があります。
バーミキュラライスポッドと同じコンセプトで土鍋を全自動にした製品で、バーミキュラと同じくお値段9万円です。しかも、3合炊きなんですが結構でかいんです、これ。ちょっと驚く大きさです。
「いや、これ買わないでしょ」とか思っていたのですが、よく考えるとIHの家で「土鍋のご飯が食べたい」となると、カセットコンロを買うかこれを買うかしかないんですね。ガスの家であっても、安全性とか考えるとコンロにかけっぱなしにする必要がなくなることや、食卓で炊飯してそのまま重い土鍋を上げ下げせずにご飯をよそうこともできますので、実は悪くない製品のようにも思えてきました。お年を召した方には最適かもしれません。
まあ正直、ご飯を炊くのに10万円近く出すのはどうなんだろうと思わずにいられない私としては、1万円以下で間違いなく美味しいご飯が炊ける土鍋か無水鍋が一押しですが、高いものにもそれなりの良さがあるということで、楽しくご検討ください。
2018年10月20日