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フライパンを買いました(その2)

こんにちは よしかた産婦人科の井畑です。今回は、「フライパン」の続きです。

<フライパンの材質の違い>
まず鉄ですが、比較的安価で一生使えるくらい耐久性があり、鉄分の補給にもなり、強火の調理も可能です。油でしっかり馴染ませれば焦げ付きも少なくなるそうで、育てる楽しみもあるようです。しかしとにかく「重い!!」そして錆びるので使用後のメンテナンスも面倒です。
最近は鉄の表面にコーティングしたり特殊な処理をしてメンテナンスフリーにした鉄のフライパンもありますが、重さだけは変えようがありません。

ではステンレスはどうかというと、重さを除けばかなり使いやすい事がわかりました。アルミとの多層構造なので蓄熱性や熱伝導率は優れていますし、鉄ほどではないにせよきちんと使えば焦付きも減り耐久性も十分です。ただ、やはり重いのと、鉄に比べるとお値段が張るものが多いようです。

アルミの熱伝導性は最高ですがその分焦付きやすくなります。鉄のように油を馴染ませて育てていくのはできません。従ってコーティングが重要になるのですが、コーティングは後ほど説明しますが劣化していくので耐用年数的にはかなり落ちます。アルミの最大の利点は、軽くて安価であることですが、消耗品として短いスパンで買い換えていくことになると結局安価とは言えなくなってしまいます。

まとめるとこんな感じでしょうか

ステンレス(多層) アルミ
重さ とても重い 重い 軽い
熱伝導性 やや悪い 良い とても良い
耐久性 とても良い とても良い やや劣る
価格 比較的安価 やや高価 安価
スクロールできます

鉄とアルミには、いったん溶かしてから成型する鋳造という作り方があり、鉄の場合は鋳鉄、アルミの場合は ダイキャストといいます。一般に鋳造のほうが利点が多いのですが、値段も高価になります。

<コーティングの違い>
これは本当に奥が深いのですが、とりあえず、フッ素樹脂(テフロン)とシリコンとセラミックを覚えておく必要があります。実際にはフッ素樹脂が圧倒的に多く使われています。

このフッ素樹脂は非常に安定しており常温ではほぼ無害と考えられています。医療の手術分野でもテフロンのテープを使う事があるくらいです。ところが、加熱すると260℃程度で劣化が始まり350℃程度で分解が始まります。この分解時に出る「煙」は有害である事がわかっています。

260℃と言われてもなかなかピンときませんね。料理に水分がある程度残っていれば100℃を超える程度で済みますので、260℃近くなるためにはかなり焦げ焦げにしなければいけません。しかしガスの火は1000℃を超えますから、空焚きすればすぐに260℃に達してしまいます。従ってテフロンのフライパンは「空焚き厳禁!!」空焚きでなくても長時間の強火調理は避ける必要があります。また時間とともに劣化していくのも避けられず、下手をすると1年でコーティングがボロボロになってしまいます。

シリコンはテフロンよりも耐熱性に優れており、450℃くらいまで耐熱性があるようですが、劣化はテフロンよりも早いようです。耐熱性が高いので、高温になる鉄のフライパンで「空焼き不要」のタイプは大抵これです。食べても人体に無害とされていますが、気になる人も多いようで、ネットで見ると鉄フライパンは無塗装派の人が多いみたいですね。

セラミックコーティングは新世代のコーティングで、ナノセラミックの技術を使っているそうです。セラミックは耐熱温度が450度と高く耐熱温度を超えてもガスが発生しない、熱伝導性にも優れ、硬く腐食しにくいと、良いことづくめですが、唯一割れてしまう可能性があることと、やはりテフロンに比べると高価になってしまうようです。

なお、大宣伝しているフライパンについては、「セラフィット」はアルミとステンレスの多層構造にセラミックコーティング、「フレーバーストーン」もアルミとステンレスの多層構造にスーパーストーンコーティング(フッ素樹脂コーティング)です。
つまり両者ともにステンレスフライパンで、コーティングが違うわけです。

(次回に続く)

2015年4月16日

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